杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

戊辰150周年

 先日、「みやぎ会津会」の総会に出席してきました。「みやぎ会津会」は、宮城県内在住の福島県会津地方の出身者やゆかりのある方の有志の集まりであり、毎年1回の総会のほかにも定期的にイベントが開催されています。私自身が前回参加したのは震災前でしたので、実に7年ぶりでした。

 大勢が集まる会合は苦手な方ですが、出席者の世代や職業は様々でも、故郷が同じということだけで会話が途切れず、また、独特な会津なまりで埋めつくされた会場は懐かしくほっとするものがあり、居心地の良さがありました。

 大学進学時に地元である会津若松を離れて早20年となり、地元で育ち過ごした期間よりも、他の土地(東京、仙台、沖縄)で過ごした期間のほうが長くなってしまいました。近頃は、それなりに齢を重ねたせいか、会津の出身であることの誇りや地元への愛着を感じるようにもなってしまいました。

 仕事などでお会いした方が会津出身であったり、さらには普段「会津」ナンバーの車を路上で見かけただけで、無性に親近感を持ってしまいます。地元へ帰る際も、磐越自動車道を郡山から会津若松方面に向かう道中、右手に磐梯山が見えてきたり、磐梯河東ICを越えて会津盆地が一望できる辺りにさしかかると、「帰ってきたなぁ」と帰る度にしみじみします。大河ドラマ「八重の桜」のオープニングをみるたびにも懐かしく感じていました。田舎者の強がりかもしれませんが、誇れる田舎があるというのは有り難いことだなと感じます。

 今回の総会は「みやぎ会津会」設立10周年という節目の会であり、また、戊辰戦争が始まって150年(さらに当日はちょうど150年前に京都で鳥羽・伏見の戦いが始まった日)ということで記念シンポジウムも開催されました。今年は政府などでも明治150年あるいは明治維新150周年と位置づけていますが、会津若松市では会津藩からの視点であくまで「戊辰150周年」ととらえ様々な記念事業を予定しているそうです。

 自分自身は武家の家系の血筋でも何でもありませんが、小さい頃から、白虎隊の歴史本を読まされ、事あるごとに「ならぬものはならぬ」と叱られて育ちました。中学生の頃には、毎年秋に開催されている会津まつりの会津藩公行列で白虎隊に扮して参加した(させられた)こともありました。また、会津を離れてからも、年長の方々から目を掛けてもらうことがしばしばあり、勤務していた会社を退社し法曹を目指すことにした際には、会社の大先輩(上司の上司の上司)から、餞として、柴五郎(会津藩出身の明治時代の偉人)の著作を頂き、激励されたこともありました。現在の自分があるのも、会津という雪深い田舎で、地元の歴史に否応なしに触れながら育ったからこそだと思います。

 今回、苦難に直面し乗り越えてきた会津の先人たちの歩みに久しぶりに触れ、意外にも自分が地元の歴史に興味をもっていることに気付きました。現在では会津を離れてしまいましたが、これをきっかけに自分自身が地元の歴史を学ぶことで、子どもたちの世代に少しでも会津人としての誇りを引き継がなければならないなと思いを新たにした休日でした。

(弁護士 三橋要一郎)

 

入所のご挨拶

 明けましておめでとうございます。
 昨年12月に司法修習を終え、当事務所に入所した白戸祐丞(しろと ゆうすけ)と申します。この場を借りて自己紹介をさせていただきたいと思います。

【経歴】
 青森県出身で、弘前高校、東北大学法学部、東北大学法科大学院を経て司法試験を受験しました。偶然ですが、当事務所の赤石弁護士と同じ経歴を辿ってきたことになります。

【弁護士を志したきっかけ】
 高校生の頃、冤罪事件や理不尽なトラブルに巻き込まれた人の力になりたいと考えて弁護士を目指しました。法学部に進学後、東日本大震災を経験しました。そして、東北大学模擬裁判実行員会という学生団体で震災に関わる法律問題をテーマに取り上げて活動する中で、法的手続の重要性や、困っている人の力になるためには専門的な能力が必要であることを実感し、法科大学院への進学を決意しました。
 ちなみに、当事務所の佐藤裕一弁護士は法科大学院の恩師でもあります。講義や飲み会ではご自身の経験談など弁護士の魅力を存分に学生に伝えて下さり、私の興味分野やなりたい弁護士像の形成に大きな影響を与えました。

【性格】
 世話焼き、好奇心旺盛、心配性だと思います。それぞれ、依頼者の方への手厚い対応、色々な分野の知識を身につけること、正確で細かい気配りというプラスの方向に活かしていけるよう努力したいです。

【趣味】
 野球(弁護士会野球部に所属しています)、野球観戦(楽天イーグルスのファンクラブに所属しています)、旅行、お菓子作り、ラーメン屋・カフェ巡り、飲食店情報収集、アニメ等です。今後はこのエッセイに趣味に関連したことを書かせていただくことも多いかと思います。

 これから様々な案件に関わらせていただくことになりますが、依頼者様のために迅速・誠実な対応を心掛け、また1年目であってもプロとしての自覚と責任を持って業務に当たるよう精一杯努力したいと思います。
 なにぶん弁護士としての一歩を歩み始めたばかりの未熟者ではございますが、何卒ご指導・ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
 今年一年が皆様にとって希望溢れる年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

(余談)
 今年は戌(イヌ)年ですが、犬と言えば、某大手携帯電話キャリアS社のCMでお馴染みのお父さん犬(白戸次郎)が思い浮かびます。私の名前は「シロト」と読むのですが、このCMがすっかり有名になってしまったこともあってか、初対面の人にはほぼ確実に「シラト」と読まれます。話の種にはなりますが、この話をしたせいで逆にどっちか分からなくなるとのご注意もいただきました。悩ましいところです。
(弁護士 白戸祐丞)