杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

申はサルでも・・・

 私は1932年(昭和7年)7月生れ、干支(えと)で言えば申年。従って今年は年男である。新聞によると今年の年男は482万人、年女は511万人というから総人口約1億2750万人に占める割合は7.8パーセント。他の干支にくらべて少ない方になるようだ。その申年のなかで最も多いのが今年36歳になる1968年(昭和43年)生れの183万人というから、私と同年の人は総人口の1パーセントにもならないのだろう。つまり私は永生きしたことになる。

 しかし私は申年というのは余り好きではない。何故なら申は猿だということで「目先は利くが小賢しい」と言われているようだからである。干支も星座も生れた年月で決められてしまい、自分ではどうしようもないのだが、私は7月生れの獅子座の方は何となく好ましい。元来、干支は時や方角を示すもので動物とは無関係なものである。物の本によると申は稲妻のことで12支の第9、方角で西南西、時は午後3時から約2時間、「大事が成る一歩手前の状態」を言うそうである。

 つまり成熟の前の直前でしっかり形を見る時期を示すという。私は昨年思わぬ大病を患い大勢の人に迷惑をかけたので、今年は大事に一歩でも成熟に近づく様に頑張りたい。「申はサルでも猿ではない」が、やっぱり我が家の玄関には猿の置物が飾ってある。

(本稿は今年の仙台弁護士会、会報新年号に掲載されたものに多少手を加えたものです。)

 (弁護士 阿部 長)