杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

年賀状

 正月の楽しみの一つに久しぶりの人達から届けられた年賀状を読むことがある。

 しかし最近の年賀状はワープロで作成されたものが多く(実は私もその一人であるが)、楽しみは大部減ってしまった。それでも一枚一枚手にとって眺めていると、色々趣向を凝らしたものや手書きのものもあり、差出人の人柄が偲ばれて、やはり楽しい。私は出来るだけ何か一言書き添えることにしているが、何も書き添えがなくとも、その人とのことが想い出されて懐かしいものである。

 一体、年賀状は何時から始まったものなのか。逓信総合博物館によると11世紀に藤原明衡によって書かれた「雲州消息」という模範文例集に年始の挨拶文が収められているというから、平安時代まで遡ることになる。もともと元旦に年始廻りをし、二日に書き初めと一緒に年賀状を書き、三日に配達されるというものであった。それが現在は枚数が多くなり、12月25日頃までに出さないと元旦に配達されなくなってしまった。それにしても今年の年賀状の総数は、去年よりやや減ったものの約40億枚というからすごいものである。

  (弁護士 阿部 長)