UCバークレー校訪問記
1月のこの欄にも書きましたが、3月の初めにカリフォルニア州立大学バークレー校の視察に訪れました。その際に思いがけず同校で講演する機会を得ましたのでご紹介いたします。
今回の訪問は、これまで日本には存在していなかった「ローヤリング」という科目を担当する法科大学院の実務家教員として、ロースクールの伝統を有するアメリカにおいて高く評価されているカリフォルニア州立大学バークレー校のロースクールを訪れ、担当教員との面談、リーガル・クリニックの見学、日本人留学生との懇談を行うことにありました。
ところが、視察の日程を組む段階において同校にあるInstitute of East Asian Studiesから、せっかく来るのであれば「近年の日本における司法制度改革」について講演して欲しいとの依頼を受け、臆面もなく、お引き受けすることになった次第です。Institute of East Asian Studiesはアメリカでも有数の東アジアに関する研究所なのだそうです。講演はロースクールであるBoalt Hallにおける演習室で行われ、約15名が聴講してくれました。アジア人留学生が多く、中にはタイや韓国の裁判官も含まれていました。講演は日本語で行いましたが、東北大学の交換留学生である蟻塚さんとその友人のRuyiさんが英訳をパワーポイントで作成して、プロジェクターでスクリーンに映してくれました。Ruyiさんはパワーポイント以外の部分について通訳も担当してくれました。90分間の講演でした。
講演後には聴講してくれたアジアの様々な国の出身者から、それぞれの国の司法制度改革との関連質問や意見が活発に出され、日本の司法制度改革がいかに注目されているかということを身をもって感じました。
今回訪れてみて、バークレー校のキャンパスの広大さと環境の素晴らしさに驚きました。何と構内にリスが沢山棲息しているのです。また物的な施設のみならず、講義の他に、今回の私の講演のような各種のレクチャーはもちろん、映画上映、音楽会、美術展といった各種のイベントが毎日のように開催されているのです。学生は勉強だけでなく、そうしたイベントを通して様々な教養を得ることができるようになっているのです。
もう20歳若ければ、私も是非この学校で学んでみたかったな等と思いながら、その晩はカリフォルニアワインに酔いしれました。
(弁護士 佐藤裕一)
美しいキャンパスの向こうには海が広がっています
講演の告知ポスター 講演風景