杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

雪どけ

 暖冬、暖冬といっているうちにもう3月。3月から何を連想されますか。ひな祭り? 梅の花? 卒業式? 人事異動? いえいえ雪どけです。仙台はもともと雪が少ないので、違うかもしれませんが、東北の人間にとって3月といえば雪どけです。「春の3月雪どけに・・」という唄もあるくらいです(年齢が知れる古い大陸ソング)。3月には、泥鰌つ子や鮒つ子が眼を覚まし、バンケ(ふきのとう)や土筆の子が恥ずかしげに顔を出さなくてはならないのです。

 ところで、かの有名な太宰 治の「津軽」のエピグラフに「こな雪、かた雪・・・・こおり雪」とあり、この「こおり雪」とは何だろうかというのが長年の疑問でした。空から凍った雪が降るはずはないので、これは、降った雪の状態をいうものであろう。この点で参考になるのが新沼 謙二の「津軽恋女」で、そこでは「・・・・春待つ氷雪」とうたわれています。津軽の人に聞けばすぐわかる話ですが、あえて聞かないで推測してみますと、これは根雪が融けかかったところに新しく降った雪が夜の寒さで凍った状態をいうのではないか。

 それで思い出すのが雪割りのことです。私の子供の頃、3月の終わりになると商店街総出で雪割りをしました。今は地下水で融雪していますが、当時は道路に降った雪は馬そりや人の足で踏み固められてなかなか消えないので、雪割りが必要になるのです。しかしみんなの春を待つ気持ちが一つになって、子供心にもなかなか楽しい行事でした。

 (弁護士 阿部純二)

広告を非表示にする