杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

検察審査会

 さる10月4日東京第五検察審査会は、小沢一郎、元民主党幹事長に対し「起訴すべき」との2度目の議決を行い、小沢氏は強制起訴されることになった。

 検察審査会法は昭和23年(1948年)施行なので平成20年(2008年)で60年経たことになる。同法は、本来検察官の有する公訴権の行使に関し、民意を反映させてその適正を図る(同法1条)ことを目的とするものであるが、この60年間に審査会が審査した事件は約15万件に上がり、そのうち起訴相当、不起訴不当は約1万7000件、そして検察官が再検討の結果起訴した事件は1300件を超えるというから、審査会はその役割を十分に果たしているといえる。

 しかし今回小沢氏の強制起訴は、平成16年(2004年)の法改正により、同審査会の最初の「起訴相当」の議決に続き、2度目の審査会においても審査委員11名のうち8名以上の多数で再度「起訴相当」の議決をしたときは、裁判所の指定する弁護士(指定弁護士)によって公訴が提起され公判が維持されることになったことによる。

 そのことの是非と併せて、今回の審査会委員の平均年齢が30.9歳(その後33.91歳と訂正)と若かったこと等が問題とされている。

 何れにせよ、今後は指定弁護士の出番となるが、2度も検察官が不起訴としており、もともと物証の少ない事件であるから指定弁護士の立証は困難となるだろう。

 かつて私は弁護士になりたてのころ、昭和41年10月発生の仙台中央警察署警備課勤務の警察官に対する特別公務員暴行致傷事件(やぐら荘事件)について仙台地方裁判所から渡部直治弁護士とともに指定弁護士に選任され最高裁判所まで事件を担当し苦労したことを想いだす。

 (弁護士 阿部 長)

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