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杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

サーフィンの話

 仙台に移り住んでからサーフィンを始めました。自分が乗るのはロングボードという3メートル近い長さのクラシックなサーフボードです。もともと山に囲まれて育ち、東京での大学やサラリーマンのときも海とは全く縁もゆかりもありませんが、もともと漠然と憧れがあったところに、たまたまかっこいいサーフフィルムを見て一念発起し、司法試験の息抜きにと始めたのがきっかけです。週に1回のペースで細々と続け、もうそろそろ10年近くになります。いまだ初心者の域を超えられず、夢見たレベルからは程遠いですが、それでもサーフィンの魅力にはまっており、週末ごとに海に出かけては家族からは白い目で見られています。
 皆さんのサーフィン(あるいは「サーファー」)に対するイメージは、若者のカルチャーで、派手そうだ、といったものかもしれません。しかし、実はサーフィンは、波に乗っている時間よりも沖合で波待ちをしたり、波に向かって必死にパドリングをしている時間のほうが圧倒的に長く、また、波に乗れることよりも波に飲まれ揉まれてしまうことのほうが多く(個人的な技量に起因するところが大きいですが)、ある意味、「地味な」側面が多いスポーツです。さらに、単に波の大きさ・形だけでなく、地形(海底が砂だと日ごとに変化します)、風の強さ・向きなど天候・自然の力に大きく左右され、それらの波長が自分と合わないと3時間くらい海に出ていても1本もうまく乗れない場合もあります。しかし、自然と向き合い、また、日頃の雑事から切り離され自分と向き合い、単に波待ちをしているだけでも、帰る頃にはたまったストレスはいつの間にか消えてなくなっています。また、自然に逆らわずじっくりと向き合うという姿勢は、自分の仕事におけるスタンスや生活全般にも大きく影響をしているように思います。
 仙台は都心部からも海が近く、太平洋に面しているため波も良く、サーフポイントの数も多く、なおかつ、それほど混雑しないため、サーフィンをする者としては恵まれた環境でした。震災により沿岸部は大きな損害を受け、今も復旧・復興工事が至るところで行われていますが、地元の皆さんの理解も得て現在では七ヶ浜や仙台新港、本吉、鳥の海などではサーフィンができるようになっています。複雑な気持ちを有している方も中にはいることを踏まえて行動をしなくてはならない面はありますが、将来のことを考えると子ども達が海に触れることのできる環境を整えていくことは重要であり、海から恩恵を受けている者の責務だと思います。
 最近、同業の友人がサーフィンデビューしました。今後すぐに追いつかれそうですが、同じ趣味をもつ友人は貴重なので、切磋琢磨しながら、あと30年、できればあと40年くらいは細々と続けていきたいと思います。
(弁護士 三橋要一郎)

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