杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

「Sパッド」使用体験記

 あけましておめでとうございます。

 昨年のはじめに、某有名プロサッカー選手などがCMに出ており話題にもなった筋トレマシン「Sパッド」(仮名)を購入しました。いわゆるEMSトレーニング・ギア(Electric Muscle Stimulation:電気筋肉刺激の略)で、自分で能動的に運動しなくとも、身体につけた機器の電気刺激により筋肉を鍛えることができるというものです。

小さい頃から身体の線が細いことが自分にとって大きなコンプレックスの1つであり、いろいろな筋トレを試しては挫折してきました。また最近も、週末のサーフィンあるいはスノーボードのために平日にはできるだけトレーニングをしようと思い、いろいろなギア・道具に手を出しては、いずれも長続きせずに終わってきました。今回も、他力で手楽に鍛えられるなら続けられるのではと邪な思いから、とりあえず腹筋用と腕・脚用を買ってみたのです。
 さすが最近のトレーニング機器はハイテクで、スマホと連携しトレーニング内容を設定したり、トレーニングの結果や履歴を確認することもできます。そして、丁寧にも毎日夜8時になるとスマホに「今日もトレーニングしましょう」と通知が来ます。これならさすがに続けられるだろうと思わせてくれます。
 実際に利用してみると、自分は筋肉だけでなく脂肪もあまりなく電気刺激が直接的に伝わるのか、それほど運動強度を上げなくともかなりビクビクときます。これを1回のトレーニングにつき23分間続けることになります。1週間くらい続けると、なんとなく腹筋は引き締まり、腕は太くなった気もします。サーフィンのパドルも心なしか力強くなり、テイクオフが早くなった気もしました。
 ただ、腕のトレーニングをする際には、電気刺激のために身体を自由に動かすことができず、本を読んだりインターネットをすることにも支障がでます。テレビを見る習慣もないので、手持ち無沙汰です。

 それから1年間が経過しました。やはり、私の「Sパッド」は長いこと使われずに、充電も切れた状態のまま、部屋の片隅で埃をかぶっていました。スマホには今でも律儀に毎日「今日もトレーニングしましょう」と通知が来ますが、意識的なのか無意識なのか見ないことにしていたところ、先日、遂に「100日ぶりにトレーニングしましょう」という通知が届き驚きました(怠け癖のある人も想定してアプリを作っているんですね。)。購入から1年が経過した今、スマホに記録されている使用履歴を振り返ってみると、最初の2ヶ月は週5回程度は使用していたのが、半年経つとその頻度は月に2〜3回となり、その後は長く埃をかぶっていたのです。
 どんなに素晴らしい機器があっても、やはりそれを使ってトレーニングを続けようという意思の強さが不可欠であり、一番重要なのだと改めて思い知らされました。

 2年前のお正月にもこのエッセイで健康について書きましたが、今年はついに40歳になります。新年にあたり、まずは自分自身の心を強くもつことが不可欠であると決意を新たにし、さっそく「Sパッド」の充電をすることにしました。
(弁護士 三橋要一郎)