杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

良覚院

 事務所の隣にある良覚院公園について以前佐藤裕一弁護士が紹介されている。

 私も事務所の往き帰りに時々公園を散歩しているが今年の夏はとりわけ暑かったので緑の木陰がとりわけ有難かった。良覚院公園は文字通り良覚院という寺のあった場所であり一部は現在仙台市所有の緑水庵という茶室になって広く市民に利用されている。

 良覚院は京都聖護院の末寺で始祖は日林という。慶長7年(1602年)政宗が岩出山から仙台入府の際、共に入り現在地に建立された。修験道の祈祷寺で、領内山伏の総触れを務め、伊達家の祈祷を司どっていたことから伊達一門の待遇をうけ、格式の高い寺であったという。

 明治5年修験道廃止と共に廃寺となり、今はただ良覚院丁という地名として残っているだけである(以上説明碑から)。

 それにしても伊達家筆頭寺といわれた宮町の仙岳寺所有地が競売申立されるなど、まさに今は昔である。

 (弁護士 阿部 長)