杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

あほうかしこ

 3月9日の「河北春秋」に女性の分類として楠本憲吉さんの4分類を紹介している。

 「かしこかしこ」 「かしこあほう」 「あほうかしこ」 「あほうあほう」 の4つである。

 そして女性として一番望ましいのは「あほうかしこ」だそうで、普段ぼんやりしているようだけれども要所を押さえているからだと言う。因みに「かしこかしこ」は利口すぎて面白みがなく「かしこあほう」は普段は利口だが肝心なときに抜けるからと言っている。

 だとすれば、これは何も女性に限ったことではない。同紙も昨今新聞・テレビを賑わせているライブドアの堀江社長は「かしこかしこ」だとし、フジテレビ側は「かしこあほう」に分類している。

 果してそうなのかは、これからの展開をみなければ判らないが、今回の両者の争いは法律的にも興味のあるものが多い。M&Aが中心テーマだが特にニッポン放送の大量新株予約権発行に対し、ライブドア側の差止仮処分申請については、従前の商法の解釈からすれば仮処分は認められて然るべきと思っていた。

 果して東京地裁の決定も仮処分認容だった。現在ニッポン放送の異議申立を経て東京高裁に抗告中だから結論は未だ出ているわけではないが、ホリエモン「かしこかしこ」で終るのかどうか、これからも暫らく目を離せない展開が続きそうである(3月18日記す)。

(追記)
 3月23日東京高裁はニッポン放送の抗告を棄却し、これを受けて同放送は最高裁に特別抗告をしない旨発表した。現在両者間で話し合い、協議の気運が出ていることは良いことだと思う。因みに東京高裁の鬼頭裁判長は司法修習17期で私と同期である。

 (弁護士 阿部 長)