杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

葉桜の日に

 事務所のトップページに、執務室から見える白木蓮と咲き始めの桜の写真が掲載されていました。まさに春本番です。今年は格別寒さの厳しい冬でしたので、春の訪れに感じる喜びもひとしおのものがありました。春の空気に接して、自然と心が解放されるのが判ります。

 今年は4月から東北大学法科大学院で週2コマの講義を担当しており、片平キャンパスに通っています。歴史のあるキャンパスですので大木で姿の良い桜が多く、それはそれは見事な花を咲かせていました。片平には法科大学院本館に代表されるような歴史をうかがわせる近代建築仕様の建物が数多く残されており、桜との絶妙な調和は一見の価値があります。日頃は勉強に没頭している学生達もこの時ばかりとお花見と称してコンパに繰り出し、私もご相伴させてもらいました。

 そんな桜も満開後数日を過ぎると、風に花びらが散らされて、やがて葉桜になっていきます。事務所から見える良覚院庭園の桜ももうすっかり葉桜です。若くして「葉桜の日」を書いた鷺沢萌も昨年自死してしまいました。葉桜はとても淋しい感じがします。祭りの後といったところでしょうか。

 桜の花は私たち日本人にとって特別な意味のある花なのです。

 (弁護士 佐藤裕一)