杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

丙戌

 今年は新年早々から色んな事件が発生し多事多難な年の始まりになった。その中でも日本海側の大雪には心が痛む。屋根の雪降し作業での死亡者が1月中旬で既に100名を突破してしまった。しかもその犠牲者の大半が60代・70代の老人であり80代・90代で亡くなった方もいる。要するに雪降しをする若者が都会に出てしまって山村には老人しかいないのであろう。それに較べれば我が家の前のささやかな雪かきは何と幸せなことであることか。

 しかし私も年の故か、この頃神社佛閣にお詣りした時は「おみくじ」を引くことが多くなり「吉」になれば安心し、「凶」になればなるべく身を慎しむ様にしている。

 今年の元旦には西公園の桜ヶ岡大神宮に元朝詣りをし、「くじ」を引いたところ「大吉」であった。1月15日のどんと祭に大崎八幡神社で娘が引いた「くじ」も「大吉」であった。どうも神様も正月はサービスで「大吉」を多くしているのではないかと思うがそれでも「凶」が出るよりは有難い。

 今年の十二支は丙戌(ひのえいぬ)。「丙」は「草木が伸長してその形体が著明になった状態」、「戌」は「万物が成熟して役目を終える意。しかし終末ではなく、春に備えての備蓄・蓄成の意を含む」(吉野裕子著「十二支」)そうである。

 何とか春と共に景気も回復し良い年になって貰いたいものである。

 (弁護士 阿部 長)