杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

夕張市

 いざなぎ景気を超える好況だそうで、先日の新聞でも銀行の多くは増収・増益の見込みと報じられている。

 しかし一方で、不況から脱しきれない企業も多く、勝組・負組の差が歴然としてきた。私企業だけでなく、公共団体も例外ではなく、例えば夕張市。破綻した財政の再建計画として報じられているその内容は、職員数を半減した上、給与も三割減とし、公共料金も引き上げるなど住民への負担増も求める厳しいものとなっている。住民への説明会では市民からの抗議が相次ぎ、途中退席者が続出して説明会が流会になったことがテレビで報じられていた。

 私は50数年前、炭鉱景気で華やかな夕張市を出張で訪れたことがあり、夕張メロンを含め夕張市のファンであっただけに、往時をしのび、暗澹たる想いでした。夕張市だけでなく、その他の自治体・企業も工夫を凝らし、早く好景気の波が行き渡る日の来ることを念じずにはおれません。

 (弁護士 阿部 長)