杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

味噌カレー牛乳ラーメン

 みなさんは、「青森のB級グルメは何?」と聞かれると、何を思い浮かべるでしょうか。B-1グランプリに参戦していることで有名なのは八戸せんべい汁や黒石つゆ焼きそばですが、青森市発祥のB級グルメで、実はこんなものがあるのです。
 
「味噌カレー牛乳ラーメン」
 
味噌カレー牛乳ラーメンがいかなるものかですが、読んで字の如くです。カレー粉と牛乳を入れた味噌ラーメンです。細かいところは店によって異なるかもしれませんが、面は中太で、具はチャーシュー、もやし、ワカメ、メンマが入っているのがスタンダードと思われます。基本的には、サッポロラーメンがベースになっていると思っていただいて結構です。
 
味噌カレー牛乳ラーメンが発売されたのは結構古く、昭和53年まで遡ります。青森市のラーメン店屋の店主が、「味噌ラーメンにカレーと牛乳を入れると美味い」との客の話を聞いて作ってみたところ、思いの外美味しかったため、正規メニューに格上げしたことがルーツのようです。
 
私はこれまでは、その名前に抵抗感があり、一度も味噌カレー牛乳ラーメンを食べたことはなかったのですが、青森を訪れる機会があったので、話のネタにと思い、意を決して食べてみることとしました。訪れた店は、味噌カレー牛乳ラーメンの創業者のお店である、「味の札幌大西」。創業者のお店だけあって、昔ながらの雰囲気を感じさせる佇まいです。
 
わざと時間をずらして午後2時くらいに来店したのですが、それでも数人待ち。さすが人気店。待つこと約15分、席に案内されて注文したのは、もちろん味噌カレー牛乳ラーメン。さてさて、出てきたラーメンはというと・・・。
  写真1 
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 所々見える黄色い粉のようなものは、カレー粉です。ちょっと見た目が白くなっているのは、牛乳をかけたからでしょうか。
  写真2 
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 麺は黄色の中太麺。麺をすくい、いよいよ食べてみます。
  !!
 味噌スープにカレー粉を加えることで、味噌の風味にスパイシーさがプラスされているためか、ほど良い刺激が感じられます。さらに牛乳が加わっていますが、「ラーメンに牛乳?」という、一般の方が感じるかもしれないようなミスマッチな感じは全くなく、極めて良い方向にマイルドさ・まろやかさを醸し出しており、不思議なくらいに味噌スープにマッチしています。今回はバターをトッピングしてみたのですが、バターを少しずつ溶かして食べることで、徐々に風味が変化していく様子を楽しめます。具についてですが、もやしのシャキシャキ感が、マイルドなスープとのコントラストを生み出しており、特に印象的でした。
 
結果、スープまで飲み干し、あっという間に完食です(カロリーが・・・)。これまで感じていた抵抗感は、全く杞憂のものに過ぎないことが明らかとなりました。今回食べたのは夏だったので、食べ終わったときはそれなりに汗をかいたのですが、冬であれば、体の芯から温まると思われます。そうか、だから雪国の青森で愛されているのか。そんなことを思いつつも再び来店することを誓い、店を後にしたのでした。
 
青森市内には上記「味の札幌大西」の店主の弟子のお店が複数あり、それらのお店でも味噌カレー牛乳ラーメンが食べられるようです。それぞれのお店の微妙な味の違いを楽しんでみるのも良いかもしれません。まだ私はその域まで達していませんが。
 
我が町仙台においては、今のところ味噌カレー牛乳ラーメンを出している店があるという話を聞いたことがありません。美味しいものを出してくれれば、徐々に口コミで広がっていくはずなので、是非是非どこかのお店でチャレンジしていただきたいものです。
 
(弁護士 赤石圭裕)