杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

夏の到来

 七月担当(7月1日更新予定)のはずの本エッセイですが、ネタ不足に悩んでいるうちに、気付けばいつのまにか海の日になってしまいました。
 小中学生はもう夏休みですね。大人になると同じように休みをとれる訳ではないですが、弁護士の仕事はこの時期、裁判所の夏期休廷の影響で裁判期日があまり入らなくなるため、少なくとも個人的には毎日が木曜か金曜であるかのように気分が若干軽くなります(しかし、夏が終わりに近づけば提出書面の〆切が重なるので、その点でも夏休みの課題に追われる小学生と似た状況になります。)。
 この週末、仙台の中心部では和霊神社・野中神社・えびす神社の三社まつりで御神輿が出て、当事務所の目の前にある馬上神蠣崎(うばがみかきざき)神社や自宅近くの神社でも町内会主催のお祭りが開かれていました。家族でその様子を眺めて歩くだけでも心が浮き立ちます。大きなお祭りはもちろんですが、こういったこじんまりした地区のお祭りもよいものです。
 思い返すと、自分の小さい頃の思い出として良く残っているのも、祖父母や友だちと行った、地区の小さな夏祭りです。仙台ではいまだ盆踊りを目にしたことはないですが(ネットで調べたら「宮城野盆唄」とか「七夕おどり」といった盆踊りがあるとのこと)、地元の会津地方では、夏祭りといえば盆踊り、盆踊りといえば「会津磐梯山」(盆踊りの唄)と決まっていました。実家は田舎なので、夏の夜に家の窓を空けて過ごしていると、毎日のように、虫の音と共に、「会津磐梯山」の笛太鼓の音が遠くから聞こえきます。実家を離れてもう20年近くも経ちますが、夏になるとふとそんな光景を思い出すことがあります。
 年月が経って初めてその有り難みに気付くのでしょうが、小さい頃に見聞きしながら育ち、身にしみついた経験・体験は成長してその土地を離れても自分の中に残ります。今度は自分がまわりの子たちにも同じような良い夏の思い出を残してあげたいものです。(同時に、恥ずかしながらもこんな文章を書くなんて、自分も相応に年をとったのだなとしみじみと実感します(笑)。)
 ともあれ、このエッセイを書き終われば、自分にとっても夏本番。今年もお休みを頂き、地元の人里離れた山々を縫うようにして只見(福島県)から小出(新潟県)に抜け、毎夏恒例の苗場山に一人向かいます(詳細については過去のエントリー参照)。
(弁護士 三橋要一郎)