杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

夏の終わり

 8月も終わり9月の声をきくと、何となく秋が近づいてくるのを感じる。
 堀辰雄の「風立ちぬ、いざ生きめやも」ではないが、もう1年の半分以上が過ぎ、今年も残り3分の1かと思うと驚きと共に少し寂しさも覚える。
 それにしても今年の夏も暑かった。
 毎年8月は6日は広島、9日の長崎、そして15日の終戦の日、その前7月10日の仙台空襲のことなど想い出す。
 同時に8月は恒例の高校野球甲子園大会の月でもあり、今年はリオのオリンピックの影響で一寸影が薄くなった感はあるものの、7日から21日まで一喜一憂の日々であった。久しぶりに出場した宮城代表東北高校は1回戦で神奈川代表の横浜高校に敗れたのは残念であった。
 しかし私は、今年の優勝は横浜か大阪の履正社と予想していたので、結果はまあ仕方がないかと思っていたところ、なんと2回戦で横浜と履正社が対戦することになってしまった。結果は5-1で履正社が勝ち、優勝は履正社と思った矢先、3回戦で茨城の常総学院に7-4で敗けてしまった。
 それで優勝は常総と予想を変えたところ、今度は熊本の秀岳館に4-1で敗け、私の予想は全て外れることになった。
 そして何と決勝戦はその秀岳館を4-3で破った南北海道代表(札幌)の北海高校と栃木の作新学院の対戦になったのだから勝負は全く判らないものである。又それが高校野球の面白いところでもあろう。
 流石に北海は作新に破れはしたが、練習も十分出来ないであろう北海道代表がここまで頑張ったことは、北海道に縁のある私にとってうれしいことであった。
 夏も終わり、又来年が楽しみである。
(弁護士 阿部 長)

合格発表までの過ごし方

 みなさんは、司法試験の受験から合格発表までの期間がどのくらいあるかご存じでしょうか。答えは約4ヶ月です。一般の方の感覚からしたら長い方かと思われます。先日、司法試験の合格発表待ちの受験生と飲む機会があり、私自身は果たしてどうだったか振り返ることがありましたので、そんな流れから今回のコラムのお題としてみました。
 現行制度では、司法試験は毎年5月中旬に択一(マークシート式のもの)+論文式の試験が一度に行われます。6月に択一の合格発表があり、これに合格した人のみが論文の採点対象となります。最終的な合格発表は9月上旬です。試験から最終発表まで約4ヶ月もの期間があり、合格を待つ身としては、随分長い間、落ち着かない思いをするものです。
 合格発表までの過ごし方は人それぞれです。合格(ちなみに、合格した場合はその約2ヶ月後から司法修習が始まります)・不合格のいずれに転んでも良いような勉強をひたすら続ける・・・のが受験生としての理想なのかもしれません。しかし、なかなかそうもいかないのが正直なところでしょう。人生最後の夏休み(?)と割り切って、海外含めあちこち旅行に行く、ひたすら飲み倒す、地元で羽を伸ばす、何もせずボーッと過ごす、などといった方々が割と多いような気がします。
 かくいう私はというと、例に漏れずあちこち旅行に行っておりました。最も長期間だったのは、関西~九州を中心とした「行ったことのない県に行こうツアー」でした。従前より、全国あちこち旅行はしていたのですが、折角の機会なので、これまで行きそびれていた県を訪れた上で、全県制覇してしまおうという趣旨のものだったのです。具体的には、三重、和歌山、大分、熊本、宮崎及び鹿児島に行ったことがなかったので、1週間くらいかけてこれらの地域を一挙に訪れました。九州への交通手段は大阪~大分のフェリーでしたが、瀬戸内海を経由しての旅行は初めてだったので、大変ワクワクしたものです。また、熊本では熊本城を訪れ、熊本ラーメンや馬刺しを食しました。この度の震災には同じ被災地の者として、大変心を痛めております。
 弁護士の仕事をして強く感じることがあります。それは、法律の知識もさることながら、それ以外のあらゆる周辺的な知識も仕事に役立つということです。私の場合は、旅行で見聞きなどした知識が間接的に仕事に役立つことが多いと感じております。遠方出身の方と仕事でお話しする場合の話のネタにもなります。そのようなことを考えると、合格発表までの間は勉強するのも勿論大事ですが、勉強とのメリハリをつけつつも、受験時代にはできなかったことをとことんやって、自分の糧とするのがより有益なのかもしれません。
 このコラムを執筆した時点では、合格発表まで残り1ヶ月強です。発表が気になって何かと手につかなくなるところかもしれませんが、残りの時間をできるだけ有効に使って、合格発表を向かえていただければと思います。
(弁護士 赤石圭裕)