杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

嘆かわしいこと

 先日7月14日付の日弁連ニュースによると、8月3日以降被疑者国選事件の報酬を請求する際は、法テラスが定める細則に基づく接見資料の提出が必要になるという。具体的には警察の留置施設で被疑者と接見する際、「国選弁護」と申し出て、担当者から面会簿とこれと複写式になっている接見資料用紙を受領して記入し、複写部分を持ち帰って国選事件報酬の際、添付しなければならない。接見資料を紛失などした場合は、事実証明書が必要になる。今回は警察の留置施設における被疑者との接見のみが対象であるが、拘置所等における被疑者との接見についても、同様のものが検討されているというから、近く拘置所等における接見にも同様資料が必要になるのだろう。これは明らかに昨年発覚した過大報酬請求事件の再発防止のためであるが、弁護士倫理もここまで落ちたかと何とも嘆かわしいことである。

 近時、弁護士の関与したとされる事件が何件か新聞・テレビで報道されており、懲戒申立も増加している。社会情勢の変化、それに伴う弁護士の執務環境の激変など種々の事情はあるにせよ、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」と定める弁護士法の精神をみんなで想い起こす必要がある。

 (弁護士 阿部 長)

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