杜(MORI)の 四季だより

杜の都、仙台に事務所を構える弁護士法人杜協同の弁護士たちが綴るリレーエッセイ

ライブドア事件

東京地検特捜部が証券取引法違反容疑でライブドア本社などの家宅捜索をしたのはさる1月16日、そしてホリエモンこと堀江貴文氏が逮捕された1月23日からもう2ヶ月を経過した。ニッポン放送株の大量取得でフジテレビとの間で連日茶の間のテレビを賑わし…

なごり雪

この冬は格別に寒さが厳しく、雪も多い日々が続きましたが、さすがに3月の声が聞こえてくるに連れて、寒さの質が和らいでくるのが解ります。お昼もコートを着ないで食事に出て、帰りに公園の木々の芽のふくらみを見て春の近いことを実感したりします。夕方…

丙戌

今年は新年早々から色んな事件が発生し多事多難な年の始まりになった。その中でも日本海側の大雪には心が痛む。屋根の雪降し作業での死亡者が1月中旬で既に100名を突破してしまった。しかもその犠牲者の大半が60代・70代の老人であり80代・90代…

サンフランシスコへ

明けましておめでとうございます。2006年の始まりです。 一昨年から東北大学法科大学院で講義・演習を担当しており、弁護士と大学教員の二足のわらじを履いているのですが、お互いに相乗作用をもたらしてくれ、とても充実した生活を送ることができていま…

ドラッカー氏について

「経営学の父」と呼ばれたピーター・ドラッカー氏が11月11日カリフォルニア州クレアモントの自宅で亡くなられた。95歳ということである。私は勿論直接氏を知らない。氏について関心を持つようになったのは日経の「私の履歴書」を読んでからである。ハ…

密なガッツポーズ

ここ10年間あまり、仙台市宮城野区の選挙管理委員会委員を務めています。毎月の委員会にはもちろん出席して議題を審議するのですが、具体的に選挙があれば、その開票にも立ち会うのが職務の1つなのです。今年は沢山の選挙がありました。衆議院の補欠選挙…

法の情け

検事というと怖いものの代名詞の様に思われている。事実警察を指揮してあるいは独自に犯罪を捜査して悪と闘うわけだから、悪者にとっては怖い存在に違いない。しかし最近私の手がけた事件でこんなことがあった。スーパーで1000円程度の品物を万引して店…

風の歌を聴け

去年のこのコーナーで浅田次郎の短編小説「うらぼんえ」のことを書きました。私が毎年夏のお盆の頃に読むことにしている本を紹介したのです。「あの文章を読んで、早速小説を読んでみました」という人もいてくれて、とてもうれしく思いました。 実はもう一つ…

選挙は水もの

郵政民営化法案が7月5日に衆議院本会議で5票差で可決された。事前の下馬評ではもっと差がついて可決されるだろうというのが大方の予想であったし、私もそう思っていた。それが5票差までになったのは何故なのだろうか。 自民党の欠席・棄権票14に比し反…

広島で考えたこと

6月の下旬に県人事委員会の全国規模の研修会が開催され、広島市へ行って来ました。広島を訪れるのは初めてのことでした。空港バスで街へ入っていくと、幾つもの川が流れていて、橋が沢山架けられ、水に溢れた美しい街並みがひろがっていました。 前回のこの…

沖縄紀行

今年は連休を利用して5月1日から5日まで沖縄に行って来ました。沖縄は以前2回訪れているのですが、何れも日弁連用務でゆっくり観光できたのは今回が初めてでした。保養が主目的なので最初は万座ビーチで4泊ゆっくりするつもりだったのですが、貧乏性と…

葉桜の日に

事務所のトップページに、執務室から見える白木蓮と咲き始めの桜の写真が掲載されていました。まさに春本番です。今年は格別寒さの厳しい冬でしたので、春の訪れに感じる喜びもひとしおのものがありました。春の空気に接して、自然と心が解放されるのが判り…

あほうかしこ

3月9日の「河北春秋」に女性の分類として楠本憲吉さんの4分類を紹介している。 「かしこかしこ」 「かしこあほう」 「あほうかしこ」 「あほうあほう」 の4つである。 そして女性として一番望ましいのは「あほうかしこ」だそうで、普段ぼんやりしている…

中尊寺再訪

2月のある週末に出張で気仙沼へ行ってきました。地元の大手建設会社が民事再生手続の申立を行い、私は裁判所から監督委員に選任されたためです。債権者説明会が開催され、私も出席してきたのですが、市民会館のホールが満杯になり、地域経済に対する影響力…

年賀状

正月の楽しみの一つに久しぶりの人達から届けられた年賀状を読むことがある。 しかし最近の年賀状はワープロで作成されたものが多く(実は私もその一人であるが)、楽しみは大部減ってしまった。それでも一枚一枚手にとって眺めていると、色々趣向を凝らした…

京都の新撰組

明けましておめでとうございます。2005年の始まりです。 大晦日の紅白歌合戦の後、「行く年、来る年」を見ていたら長野県や新潟県のお寺に続いて京都の清水寺からの実況中継がありました。大舞台にお参りの人がぎっしりと並ぶ中、雪が激しく舞っていて、…

役行者石像

事務所の隣りにある良覚院については前回書いた。その良覚院公園の一角に珍らしい古びた石像がある。役行者(「エンノギョウジャ」と呼ぶ)の石像である。 平安朝の初め頃、天台・真言二宗の密教と我が国固有の山岳信仰が結びついて修験道という宗教が起った…

台風一過

台風23号がようやく通り過ぎたばかりだというのに、またまた次の24号がやって来るのだそうです。23号は「トカゲ」という名前も異様でしたが、この25年間で最も大きな被害を日本列島にもたらしたようです。罹災された皆様には心からお見舞い申し上げ…

良覚院

事務所の隣にある良覚院公園について以前佐藤裕一弁護士が紹介されている。 私も事務所の往き帰りに時々公園を散歩しているが今年の夏はとりわけ暑かったので緑の木陰がとりわけ有難かった。良覚院公園は文字通り良覚院という寺のあった場所であり一部は現在…

夏の終わりに

猛暑も一段落し、朝夕はめっきりと涼しい日が続くようになりました。事務所の前にある公園でも、夏空から降るような蝉時雨に代わって、スイスイと飛び交う赤トンボの姿が見られるようになってきました。「夏の終わり」という言葉には何かもの悲しい響きがあ…

仙台の夏

私は司法修習生として今年の6月の終わりに仙台にきて、以後こちらの事務所でお世話になっています。 司法修習とは司法試験合格後、裁判官・検察官・弁護士といった法曹三者になる前に実務について学ぶいわば見習い期間のようなものですが、現在佐藤先生につ…

申はサルでも・・・

私は1932年(昭和7年)7月生れ、干支(えと)で言えば申年。従って今年は年男である。新聞によると今年の年男は482万人、年女は511万人というから総人口約1億2750万人に占める割合は7.8パーセント。他の干支にくらべて少ない方になるよ…

ロイヤリングって何?

週末に名古屋へ行き、日弁連主催のロイヤリング研究会なるものに参加してきました。ロイヤリングというのは馴染みの薄い言葉ですが、私なりには「法律相談や交渉などを始めとして、紛争解決や権利実現のために必要な法律家としての実務的なスキルの養成を目…

金科玉条!?

ついこの間弁護士登録をしたつもりでいたのが早いもので、間もなく40年になるという。自分のことである。そして今年7月9日山形市で開かれる東北弁護士会連合会の定期総会で40年表彰を受けることになっている。表彰を受けること自体は結構なことである…

良覚院丁庭園を眺めながら

裁判所や弁護士会館からの帰り道に事務所の近所を散策することがあります。こぢんまりとした馬上蠣崎神社にある白木蓮の大木はもう小さなつぼみをふくらませています。良覚院丁庭園やその脇の小さな公園に沢山ある桜の木はほんのりと赤みを帯び始めてきまし…